花月草子

清涼山の御亭

2010年05月 | ARCHIVE-SELECT | 2010年07月

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いつまでわらはおば かくて置き給ふぞ

第五回 奥川恒治の会

満を持しての道成寺は国立能楽堂にての開催となりました。
千駄ヶ谷の駅前で、「国立は初めて」と道に迷っていた方とご一緒して能楽堂まで。
中に入ると広い国立の見所がほぼ満席に近い状況になっています。奥川先生スゴイ。
やっぱり『道成寺』という曲は、首都圏では国立か宝生くらいのスペースがないと
ムリなのだな。と改めて感じます。

舞囃子は喜之先生の『卒塔婆小町』。
老小町に取り付く少将の偏愛妄執の恐ろしさよ。
自分が少将に課した百夜通いの仕打ちをそのままに受けてよろよろと後ずさる様、
行きては帰り かへりては行き 一夜二夜三夜四夜…
落ち着いた明るい色の長着、肩衣に長裃はそのまま老女の装束を思わせ、
非常に滋味深い舞となりました。

狂言は山本家の『素襖落』。素襖落ってメジャーな演目であるにもかかわらず、
個人的には拝見する機会が少ないかも。
則俊さんの太郎冠者の酔いっぷりがお素敵でした。
サラッとやっているのに、ものすごく可笑しい。
千鳥足で舞台をフラフラと歩いて、橋掛リに戻り、そこから主人(泰太郎さん)の
元に向かってくる表情がいかにも気分が良さそうに酔っています。
素襖を落してパニック状態な様子も「いかにも」といった様子。
かつ、酔ってはいても、きちんとした品は崩さない微妙な匙加減。
ベーシックな曲ほど、上手な人が演じると、よさが際立つといったお手本でした♪

さてこそ『道成寺』。
火打ちが切られ、鐘が登場して参ります。本日の吊り上げは則重、則秀さん兄弟。
バチッと一回で綺麗に決まりました。相変わらずこの家は素晴らしいね。
本日、私の座っていた席は特にお願いして、正面の右寄り。SSとSの境目程の
所を取って頂きました。
ここからだと橋掛リが目線と丁度斜め平行になるので幕が上がった際から最後に
日高川に飛び込むまで、ほぼ一直線で見ることができるのです。
勿論、舞台も遮るものなく見られる絶好の位置なのですよ。

鐘が上がった後、東次郎さんの能力が女人禁制の御触れを伝えて後の、あの結界
を張り巡らすような足の運ビに見所はシン、と静まりかえります。

幕が上がり、白拍子がスッとたたずんでいる所から、幕離れ一間がつぶさに見て
取れます。三ノ松までは鐘の力に吸い寄せられるように姫がふらふらと彷徨い
出てきた雰囲気。
甲グリが妙に不自然だったのはさておき、(喉を痛めていたようなフシがあり)
ふっと鐘を見上げる、そのわずかな角度に執心を感じる。
上品な淡い金に四季花の唐織に、腰巻は常の黒地丸紋とは違い、黒地丸紋+金の立涌
がアクセントになったもの。

なんだか見ている方が物凄く緊張してしまって、視線が凝縮しすぎたのか乱拍子が
あっという間に感じてしまいましたが、他の方の話では「長かった」と。アレ?
なので、肝心の小書については、「うん、確かに拍子の数が多かったカモ?」 orz
鐘入りはスパッと決まりましたが、半分スローモーションかかって見え、なんだか
先生が空中浮揚しているような錯覚にも陥るほど。

欣哉先生たちの数珠を揉む音が響くのも佳境。
鐃鉢が響き、鐘がゴトゴト動きだし、鐘が上がると蛇体は白練に身体を包んで伏せた
ままピクリとも動かず。
やがて、徐々に体を起こし、赤頭に白のモギドウ。緋長袴で闘いを挑み迫り来る。
下居から面の角度を少しづつながら、ぐぐっと上げる様は素で睨みつけるような勢い。
あの執着ぶりは鐘の中にまだ「あの方」の影が残っているのではないか?ともいう
雰囲気で。

なんぼう、恐ろしき舞台で候ぞ。

附祝言は『岩船』でした・・・ orz

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| 能・狂言 | 23:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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関根祥人先生の訃報

観世会の関根祥人先生が昨日、急性の大動脈解離にてご逝去されたとの事。
まだ働き盛りの五十という、まさに「これから」というお年で、父君の祥六先生
をはじめとしたご関係の皆様さぞご無念のことと拝察いたします。

思えばつい三年前には独立二十周年の会をひらかれ、昨年の五月には横浜で
親子三代の石橋を演じ、またその舞台を来月のご自身での会でおつとめになると
伺っていましたのに…
横浜の石橋は機会なく見る事なく終ってしまったので、とても残念でなりません。

実は、今日の小野記念講堂での講座開講前に聴講席で、その件は色々と囁かれて
いまして、どなたもが「信じられない」という表情でおりました。

帰宅して、夕刊に目を通した時、そこに訃報があって…

今はただ静かに故祥人先生のご冥福をお祈りいたします。
                     常盤露草

| 能・狂言 | 22:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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川崎九淵 五十回忌記念展講座 『川崎九淵の人と芸』

過日、一月にも五十回忌を偲ぶ講座がありましたが、今回は小野記念講堂にて
武蔵野大学の羽田昶教授を進行役に、またシテ方からは近藤乾之助先生、囃子方
から金春惣右衛門先生をお招きしての鼎談形式での講座になりました。
両先生とも今日はスーツ姿でいらしていて、こうした形で拝見するのは初めてかも。
近藤乾之助先生はダンディ系でいらっしゃる。

「川崎九淵の人と芸」

秋田に疎開されていた際に、川崎師と近藤先生のお宅が至近であったことから
食糧難の時代に双方に行き来しあっていた事や、惣右衛門先生が小学生の頃、
川崎師に大鼓を習いに通われていた事など、色々さまざまなエピソードが多く、
また京の木屋町に起居されていた時代は借りていた町屋の二階に川崎九淵師が
住み、一階には豊竹山城少掾が住んでおり、お互いに双方の事は全く知らず、
「あの二階(一階)に住んでるうるせぇジジイはなんだ!」
と言いあっていたという逸話もあるそうです。面白スギ。

お話によれば川崎九淵師亡き後、その重厚・峻厳さは吉見嘉樹師に、
また裂帛・軽快さは亀井俊雄師にと持ち味が分かたれて受け継がれていった由。
両方を持ち合わせる人はなかなか出てこなさそうですね。
また、
「天狗物、鬼物などは、より柔らかく打つ」
という事も常々おっしゃっていたようです。
言われてみれば、鞍馬天狗や野守の鬼神には「見守る」という性根の優しさが
あるように思います。
却って、鬘物の女性主人公の方が怨念こもってて恐ろしい場合もあるし。
奥が深い…

本日視聴した録音盤は、昭和三一年九月の引退披露能より、
・無謡一調 次第(九月八日収録)
・無謡一調 一声(九月二十日収録)

・『羽衣』(九月八日収録)
 シテ:喜多六平太
 ワキ:松本謙三
 笛:寺井政数、小鼓:幸祥光、大鼓:川崎九淵、太鼓:金春惣右衛門

・一調 笠之段(ラジオ放送収録)
 櫻間弓川(助吟:櫻間龍馬)、大鼓:川崎九淵

無謡一調は文字通り、謡ヌキ。大鼓だけで曲の世界を作り上げるもので、
勿論、大鼓の音と川崎師の掛声しかしないのに、周囲に他の囃子方が皆揃って
いるかのように自然に脳内補完されて聞こえるのが素晴らしい。
近藤乾之助先生はじっと聞きいって、コメントを求められても暫く言葉を探し、
一言、
「得がたいものです」
と申していらした。ホントに素晴らしい。

羽衣は…テープが劣化していて、序ノ舞から「東遊びの数々に~」までは行く
んですが、そこに来るとテープが乱れ、カカリに戻ってしまう事しばしば。
惣右衛門先生が「古いもんで、ひっついちゃってるんですね」と苦笑しながら
フォローしておられた(笑)

両先生のおちゃめさもあり、楽しい会となりました。

| 能・狂言 | 21:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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よれよれと住吉の岸へ

思うところあって、今年の夏のお浚いは欠礼させていただく事にしたのですが、
だからといって「岩船」をこなせないままにしておくつもりは毛頭ないので、
お浚いの後日にも折を見て、個別指導で稽古をつけて頂く事にしました。
(もちろん、普段の稽古時間中にきちんと出来ればそれでいいのかもしれませんが
少なくとも一度は舞台の寸法で稽古しておかねば。と思っているわけです)

今はヨレヨレの船がやうやう住吉の岸に「なんとか」たどり着いたような
ものなので、個々の型の完成度などはまだまだ話にもならないものです。

あまりにも未熟よのう。

| 仕舞・お稽古 | 23:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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四海波

夕方の水戸黄門第10部再放送。
最終回の最後の最後に助さんと志乃さんの祝言シーンがありましたが。
東野御老公が

「四海波」を謡っていました

いや、このテのドラマの祝言て大体「通常の高砂」か「鶴亀」あたりで
お茶を濁されてしまう事が多いのですけれど。
うわぁびっくり。

ちなみに明日からの第14部はしょっぱなから南部藩の悪役で登場する
名和宏さんのお能が見られるのでよい。
名和さんは時代劇だとしばしば舞ってる姿が見られますが、子方からやっていらした
そうで、運ビの基礎がしっかりしてるし見ていて好きです。
(イロモノ系の出演も面白いんですけどねぇ…)
熊本の御出身なので、盛んな土地柄ですし、そのあたりが気になります。

| よしなしごと | 23:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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