花月草子

清涼山の御亭

2008年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2008年12月

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出で入る息には阿吽の二字

『第七回 青葉乃会』

昨日と場所は同じ国立能楽堂ながらも、雰囲気はうってかわりまして、
本日は柴田稔先生が武蔵坊を演じます銕仙会総出での『安宅』です。
やや早く着きすぎた感があるので、そのまま展示室で開催中の住友
コレクションを眺めながらのひと時。
…猩々の面の片方がどうしても生理的に受け付けられなかった orz

と、その前に狂言ですがこちらは『寝音曲』
実はこちらもご馳走でした。
太郎冠者は万作さんでしたが、主人に請われて身体を横にしたり起こしたり
そのうち調子謡いだす、まではいずれも通常進行ですが、
本日は野村家ですので太郎冠者が舞ったのは「玉之段」でしたー!
お仕舞一つ得した気分。

『安宅 勧進帳
本日の富樫、欣哉先生の名乗りを聞きながら、間や発声が父上によく似て
いらした。と感じました。このままご精進くだされば幸い。
さて銕仙会山伏軍団。
舞台をぐるりと囲みながら、すわ、という勢いで揃って膝を進めるなどのあたり、
決死の気迫がつたわってきますねぇ。
で、また義経の理沙嬢が本日もキリリとして、素晴らしい。目元涼やかな判官殿。
この判官殿はつくり山伏共でなくとも守る気になりましょうというもの。
で、山伏軍団ですが、こちらもキリッとひきしまったお顔ぶれ。
直面に兜巾姿というのは似合わない人はとことん似合わないのですが、
今日はなかなか平均点より上の山伏が多かったような。<何観察してるんだ…

太刀に手をかけ富樫と辨慶をはさんでの押し合いへし合いは
「勢いで突っ走る」郎党そのまま。いい感じ。
全員の息があってこその山伏ですから、そういう意味ではかなり見せ場を
上手くもっていったかと。

柴田先生の武蔵坊は重厚さもありまして、若い山伏達を抑えながら危難を
乗り切る奮闘ぶりが流石でした。
大倉源次郎先生と柿原弘和先生の呼吸がしっかりあった中での山伏問答
もきっちり確実に。
延年之舞は人の目を惹きつけるに充分で、義経が走り去ったのにも気づきません
でした。(判ってるにもかかわらず)

本日のパンフレットにある柴田先生のご挨拶の中に直面故の色々な武蔵坊の
演じるシテによっての表情の違いについて触れられている部分がありましたが、
今回の武蔵坊は「篤実な武蔵坊」という感じでしょうか。


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| 能・狂言 | 20:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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菊の白露積もり積もって

会社を退けて千駄ヶ谷まで来ますと、なにやらやけに物々しい雰囲気。
道路沿いに警官が何人も立っていますし、国立能楽堂もスタッフの数が
いつもより多いし、要人の誰かが来るのかな?と思いつつ。
が、席についてからの開演前アナウンスで。なるほどと。
休憩後の『三笑』から両陛下ご臨席の天覧能ということでした。

『花子』
極上の花子。
謡われる引用歌の多さゆえ、その気のもちようの難しさゆえ、
極重習という扱いのこの曲。
本来ならば三兄弟そろい踏み、のはずでしたが、則直さんが
体調をお崩しになられたようで、妻を則重さんが代わられての
舞台となりました。

歌ももちろんのことですが、後で、妻に拍子を踏まれた瞬間に
何某がステーン!と転ぶ様。絶妙。
今年は那須語、そしてこの花子、と。東次郎さんの力を
色々と堪能させていただきました。
あ、暮れには三番三も拝見するんですよねぇ。ある意味すごい一年。

休憩後、
はじめてSB席が本来の役割を果たしているところを見たような気が。
ははあ、両陛下がいらっしゃると、ああいうふうにカメラをまず据えるのか
と色々、自分で見てみないとわからない事もあるもので。
などと不敬な事を考えながら実際にお姿を拝見すると自然に頭が下がる
心持になるのは日本人の性というより両陛下の仁徳であろうか、とも。

『三笑』
シテの慧遠禅師に関西より大槻文藏先生を迎え、ツレに梅若六郎先生
(陶淵明)、観世銕之亟先生(陸修静)。
後見に青木道喜先生、地頭に片山清司先生、とビッグネームの並ぶ
舞台となりました。
白菊に飾られた庵に廬山の瀑布、舞童をつれての三賢人の語らいは
さながら一幅の禅画の様。
山崎英美里嬢(舞童)の舞う破之舞はあどけない面差しの中でもしっかりと
したもので、感心することしきり。
しかし、もっと凄かったのは、楽がはじまり、まずツレの両先生、続いて大槻
先生も連なっての相舞で、『三笑』は大なり小なり拍子のとても多い曲で
あるにもかかわらず、三人で舞っていらっしゃるのに拍子の音が一つづつしか
聞こえなくて。
気持ち、銕之亟先生がゆっくり目に感じたけれど、でも拍子はピッタリと合って
いるのです。素晴らしいシンクロ。
背筋をピシリと警策で打たれた気分。

最後、橋掛りで禅師が左右を支えられながら、「さて禁足は、破らせ給ふか」と
三人揃って手をうちあって笑いに興じるさまは圧巻でした。
三先生がまたピリッとした中にもほんわかとした空気を漂わせていて。
あくまでものんびりゆったりした深淵なる世界観の曲柄を大変深く表現なさって
いました。

こんな舞台を拝見できて、幸せだナァ…


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| 能・狂言 | 23:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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自主トレ

区民センターの小っさいホールを借りて自主トレをはじめました。
もちろん、毎日借りられるわけではないのですが、
(ぶっちゃけ、お葬式とかやるホールなので、使用権も葬儀優先です)
余人交えず、一人で曲と向き合うにはいいですね。
天井高いし、スペースもそこそこありますし。
地下ホールなのでいくら拍子を踏んでも、飛びこんでも文句言われないし。


使用料安いし<そこかい!

本番までちょこちょこ借りようと思います。
うむ、家の近所に良い場所みつけました。

| 仕舞・お稽古 | 23:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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身にかかれば拂ふ剣は

扇で感覚をつかむのもいいのですが、
(いや、本当はそれが一番いいのでしょうが)
今ひとつ間違えてしまったりもするので、ならばと。
五月飾の太刀を引っ張り出してみました。
あくまでも五月飾ですから刃渡り一尺三寸ほどの小さな太刀ですが
こういう事には丁度良い大きさかと。拵えは長覆輪の太刀に似てるかも。
柄頭は鳳凰なのか鷁首なのか定かならず。

飾太刀 柄頭

抜き身で振ってみると、おお判りやすい。
扇では今一つピンと来づらい動きの型もこれならよく判ります。

難を言えば、小さいくせに飾り金具の量がタップリついているので
見かけによらず重いのです。


| 仕舞・お稽古 | 22:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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あかつき毎乃閼伽の水 月も心や澄ますらん

『第三回 奥川恒治の会』

こちらの会も、はや第三回を迎えました。
今年は『井筒』。
曲自身の完成度があまりにも高いが故にシンプルながらも大変難しい曲であります。
シテを演じられる先生の人気もあってか、見所は満員。

喜之先生の鬼気迫る深草少将の後、狂言の『成上り』で一気に見所の空気が
明るくなったところで休憩を挟んで、再び席に戻りますと、静かに静かに、では
ありますが、着実にまた新たな緊張感が見所に漲って行くのがわかるような。

今日の井戸の作り物の薄はもう晩生で小振りながらも生きた薄で、
こちらから向かって右側に着けてありました。
(薄を左右のどちらかにつけるか、というのは流儀によって違いがあったり、
あるいは替エだったりしますが、今回は演者の先生の好みだったようです)

前シテは左手に水桶の替エにて。

…やばいです。あまりにも全体のバランス(地謡もお囃子も)が良すぎて、
α波が出まくっています。
最早睡魔とのガマン大会です。

それはさておき、面は江戸中期の小面で、胡粉の枯れ具合もさることながら、
表情がとても豊かな面でした。
そういえば九月の装束干しを見学させて頂いた際にも、江戸期の箱書きが
された箱がいくつか出されていまして、東京の今にいたるまでの災禍の中
を潜り抜けてきた名品というのは、やはりそれだけ見る人の目を惹くもので
あるなと実感します。
一見して若々しい印象の強いものの多い「小面」ですが、少女が大人(増)に
なる直前、といった、優しいけれどもどこか凛とした「娘」の表情がありました。
後シテの縫箔の腰巻もこの日のために新しく誂えられ、真新しい朱色が
目にも鮮やかな品でした。
新しいから、と言って合わせた旧来の装束とケンカし合うこともなく
かえって他の装束も一緒も引き立つような色合い。

丁寧で、かつ瑞々しい娘の霊でした。
序ノ舞から「業平の面影…」と井戸の端にきて、ツ、と薄を左手で押さえて
あの「見れば懐かしや」の詞章に移っていく最後のシーンが何とも言えませんで。

眼福であります。

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| 能・狂言 | 23:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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これだから昔の時代劇は

テレ朝チャンネル(CS)で『若さま侍捕物帳』を見ていたら、
大目付が若年寄を自邸で観能接待するシーンにて、
『桜川』の 網之段と、続いて『猩々』が演じられていました。

これだから、古い時代劇をほじくりかえすのってやめられませんよ。

個人的には別の時代劇で天知茂が扇を開いてスッと座った
ところが素敵でよく覚えています。

| よしなしごと | 21:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マカオって素晴らしい!

昨日、家に帰ってきたらちょうどNHKの「びっくり法律旅行社」を
放送していまして、ちょうど「マカオ編」でした。

で、マカオ旅行に際してのマメ知識やタブー等をいろいろと取り上げて
いたのですかれど、
中で素晴らしい!と拍手したくなってしまうことが。

マカオの歴史市街地区で行われるコンサートや舞台観劇等では
レジ袋の持ち込みが全面禁止だというではありませんか!

そうです。あのシャカシャカ音防止のためです。

で、やむ終えず所持しているレジ袋は受付やクロークなどで番号札を
つけて預かってくれるのだそうで。

日本でも是非これは見習いたいものです。いや、やって下さい。

| よしなしごと | 22:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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天平楽府と聲明 風雅頌

に「雅楽」という概念で見ない(聞かない)ようにしましょうと
述べましたが、まさにそんな感じでした。
どの曲も大分イメージを再構成されたものなので、独立した音楽として楽しめば
相応に魅力的。でも、ムリヤリ雅楽の曲名をそのままつけなくても、
源氏の世界をイメージして作ったのであれば、もういっそのこと名前は
「青海波」→「紅葉賀」
と帖名にしてしまったほうが良かったのではないかとも思ったりして。
(どのくらい違うかというと例えば「迦陵頻」の舞人に小鼓を「スポポポポン」と
あててしまうくらい違うので、いや、源氏物語のイメージの小鼓てのも如何か
と思いますが)
全体のイメージは…やはり石坂浩二でした(笑)

歌会始の披講あり、琵琶秘曲の「啄木」あり、啄木が独奏で聞けるなどとは~
博雅三位や蝉丸の逸話で有名ですが、撥面をコツコツコツコツ…と
叩いていくのが耳に心地よく。
演奏は日暮里延命院の現在の御住持。ご自身雅楽師で笙も吹かれるそう。

しかし、一番「うわー」だったのは天台宗と真言宗のそれぞれ五人のお坊様が
向かい合っての大般若経の転読。
天台宗と真言宗が向かい合うってある意味それは凄くないですか。
大般若経を空に打つように広げては閉じ、また広げ、ダイナミーック。
もともとお経系では睡魔どころか覚醒してしまうタチなので(笑)
なかなか楽しい演奏会でございました。

しかし、お坊様方が巻いた散華を休憩時間に舞台に乗らんとする勢いで奪い合う
おじちゃんおばちゃんたちはどうしたものか…

| 雅楽・舞楽 | 22:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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暮れそめて鐘や響くらん

坂真次郎先生の三回忌の御追善は真太郎先生の道成寺にて。
番組には野村四郎先生や御宗家も彩りを加えてくださり、
大分早いうちにお席も完売状態であったとか。

御追善の催しということもあり、お仕舞、舞囃子、狂言ともに
供養色のつよい番組になりました。
最初のお仕舞は『清経』、『隅田川』。舞囃子は『砧』。
狂言には『泣尼』。
そして、またお仕舞が『遊行柳』、『求塚』と。

狂言鐘後見は野村万作家の方々でしたが、万作家の鐘後見を見るのは
初めてなのでございまして。
大概東京では山本家のをよく目にしますが、(山本家のは安定していますし)
いかに、と見れば、今回の鐘は余程重たいのか、四人とも腕が派手にプルプルと。
鐘の綱を天井にかけるあたりでは一度かけそこなって、
「うわー、石田さん焦ってる焦ってる」
と。(あとで一緒に見ていた人たちは皆そう思っていたようです<苦笑)

さて、シテの白拍子ですが、いつにも増して朗々とした声が。
こんなに高い声は坂先生も普段なかなかされませんのですが、
また、まことに緊迫した乱拍子を見せてくださいまして、ジリジリとした
あの動きから目が離せません。
小鼓の鵜沢さんもまた気合入った乱拍子で、声をギリギリまで張って
たなぁ~と。
鐘入りも見事綺麗に決まりまして。
後シテはやや控えめな娘の恥じらいを内に秘めるような蛇体となりました。
鐘への思いを残しながらも再び日高川に身を隠し、
盛況のうちに無事に終了。

来年は九皐会では桑田先生のお披きがあります。
こちらも楽しみですね。


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| 能・狂言 | 23:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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明治神宮秋の大祭

澄み渡るような青空のもと、秋の大祭が昨日からはじまりました。
今日は二日目の舞楽奉納に来ています。
御遷座五十年祭や七五三詣などもあって、南参道は普段よりも大賑わい。
昼間のオーロラ提灯

参道の要所要所には奉納菊のよしずの上家がかけられたり、小規模な奉納舞台
が設けられたりして、あちこちで各崇敬会や関連団体の様々なイベントがおこなわ
れています。
こちらは社殿前の門を入った内側に据えられた笠間稲荷より献納された懸崖造り。
紅白に色分けられて神前を飾っています。
左の懸崖 右の懸崖

本日は右方の床几を取らせて頂きました。
頭上の太陽の加減で右のほうが見やすかったかな、と。
(左方だと直射日光に攻撃されてしまうので<苦笑)
右方より 鞨鼓・三ノ鼓

大太鼓の細工の見事なこと。鳳凰が飛びたちそうな。
大太鼓の鳳凰.

今日の曲は
・『振鉾』二節
・左方唐楽壱越調 走舞『胡飲酒』
・右方高麗楽双調 四人舞『地久』
・唐楽太食調『長慶子』(退出音声)

アナウンス担当がプログラム棒読み…orz
振鉾がまだ左方しか終わっていないのに、
「以上、振鉾でした。続きます曲は胡飲酒です」
と言ってしまったものだから、楽人さんたちが狼狽を顔に表していましたよ…
しかし、楽人さんのペースで、右方の振鉾の緑の装束が歩みはじめたのを
見てホッとしました~
左方振鉾 右方振鉾

『胡飲酒』は林邑乱声、序、破、重吹の準フルコースで。
幾分ゆったり目の序から、破になると調子が一転。
非常に動きが多く、型も細かく。長い曲ですが終始きびきびとした舞振りで
とても上手な舞人の方でした。
胡飲酒01 胡飲酒02
胡飲酒03 胡飲酒04

『地久』準大曲。なので実はなかなか見る機会がないのですが、
今年はこの間の日枝での『甘州』に続いて準大曲づいてるかも。ラッキーな。
博物館で見る地久の面よりも、今日(というより「現代の」かな)の面は
そこそこ人間らしい顔立ちでした。鼻の高さが抑え気味?
地久01 地久02
地久03 地久04

地久の甲はこのように、通常の鳥甲のソレより、より具体的に鳳凰の
カタチを表しています。
地久の別甲

今日は神宮の祭儀のほか、七五三詣のお参りの親子連れの参詣客も
多く、上々の天気のなかで湿気は無いものの暑いほど。
しかし、終わってまた原宿口まで戻ってくると、人いきれか、やっぱりモワッと
した暑さで、神宮の中の「森の空気」とは暑さの質が違うのですねえ。
ともあれ、雲のかけらも見えない中、良いお天気に恵まれまして幸いでした。
よいお日和でした

| 雅楽・舞楽 | 20:54 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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