花月草子

清涼山の御亭

2008年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2008年10月

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時雨を急ぐ紅葉狩、深き山路を尋ねん

ところざわ能に来ています。
ホールに着いた頃からポツポツと雨が降り始めまして、まさに
「時雨を急ぐ紅葉狩」(笑)

本日は会場となる所沢市民文化センターMUSE(ミューズ)の開場15周年記念
という事での開催で、場所は中ホールのマーキーホール。
この日は見所となる客席でむじ姐さんと待ち合わせです。
過日、チケットを引き取りました際、券面にE列と書いてあり、
「6列目か、ホール能ならほどほどに見やすいかも」
なんて思っていたら、舞台がD列まで張り出していまして、
最前列扱いになってました<苦笑

今夜の公演は
舞囃子『高砂』
狂言『千鳥』
仕舞『松風』、『菊慈童』
蝋燭能『紅葉狩 鬼揃

まずは喜正先生のご挨拶を兼ねて簡単な説明から始まり、
後にすぐ裃姿の先生方が出ていらっしゃいまして、遠藤喜久先生の
『高砂』。
…なんだかとても参考になりました。経正のクセの方と似た構成要素が多くて。
たぶん、自分で手がけたことの無い型だったら見逃してしまうんじゃないかと
思えるような箇所が多くて。
でも、喜久先生、なかなか緊張していらした顔をしていらっしゃいましたね(笑)。
本日はプロデュースも兼ねていらっしゃいますから、気を使われていた部分も
相当におありではなかったかと。

狂言は山本則直さんの御一家によります『千鳥』。
最近気のせいかしら、泰太郎さんを見ることが多いような…
ここしばらくの間に随分と雰囲気がよくなってきたような気もします。
(いや、本当に頑張って頂かないと困りますんですけど)
今日の後見は泰太郎さんのご長男凛太郎くんでした。
ふむ、なかなかしっかりしたつとめぶりでございました。将来に期待。

ところで…ホールも小振りでしたし、ピンマイクはいらなかったのでは…
酒屋の主人と太郎冠者が近づいたり離れたりする度に音がわれたりして
ちょっと耳触りな部分も。

遠藤六郎先生の『松風』はそぎ落とされた風合いがとても良く、
また喜之先生の『菊慈童』は流れ足がステキで。
先日の九皐会で六郎先生の遊行柳にKOされたばかりなので、
お二方のお仕舞には心底言葉ナシです。

休憩をおいて、遠藤喜久先生のご挨拶、解説をはさみ、
蝋燭能『紅葉狩 鬼揃
まず火入れ式から。いつ見ても百目蝋燭の灯りというのは綺麗なものですね。
現代のケミカルな素材の光とは一線を画す灯火。
本日シテの上臈、鬼女は喜正先生。ツレの侍女、鬼女三人は古川、佐久間、坂の
三先生で。
前シテの唐織は喜正先生が紅葉狩の時はコレ!と決めてらっしゃるのか、
拝見する機会の多い、紅葉散らしの唐織。腰帯も紅葉。袴は朱地に金の半切。
ツレの先生方はそれぞれの唐織に。鱗の摺箔、袴は緋の大口。
ツレ舞は古川先生、佐久間先生でしょうか。唐織もほぼお揃いのような柄。
「伴ひ出づる」~のシテ、ツレ共のお謡いがお互い少し探りながらして
いらっしゃるかな?という印象を受けました。

後場では鬼揃という事で鬼女は般若の面。
黒頭、白地厚板のモギドウに緋長袴で。
ツレの鬼女も唐織を外して、赤頭、摺箔モギドウ、大口
ラスボス喜正先生鬼女と高井先生惟茂がむんず、とばかりに惟茂と組み合って
いましたね(笑)。
高井惟茂首ねっこを押さえられながらも大奮闘。

今回は舞台のカタチが変則で、地謡の先生方がお囃子の先生方と
平行に並ぶ形での構成となりました。なので、ちょっとお謡いの通りが
悪かったかなぁ。メンバー的には全く問題無いのですよ。
地頭が弘田先生でしたし♪

そういえば11月ものうのう能のお誘いを頂いていて、紅葉狩を拝見するのです。
重なるな。こちらはスタンダードな紅葉狩のようです。
うわ、でもチラシを見ると赤般若?

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| 能・狂言 | 23:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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安部貞任これにあり、見参せん

第二部は『奥州安達原』
朱雀堤~環の宮明御殿~道行千里の岩田帯~一つ家~谷底の各段。
えーと、改めてみて、なるほど、歌舞伎でも文楽でもなかなかに上演されない
ワケがよくわかりました…
(理由はここでは書けません)
あわせて約五時間ほどの壮大なお話。
ここに今回割愛してる五段分通したらいくらかかるんだろうと気が遠く
なります。
あ、でも善知鳥の段は機会があれば見てみたいです。
お能の『善知鳥』からエピソードを拝借して持ってきているんですよ。

語りは各段とも若手から中堅の大夫で固めております。
まだ中日近くということもあってか、それほど目だった声の劣化も
なく、ほどほどに良い出来かと。
段々と「がなってるだけ」から、ちょっとは「語れる」ようになってきたかも。
(あ~でもお一方「あちゃー」な方がいました。名前は出さないけど、朱雀堤で。)

前半の登場人物の顔合わせともなる朱雀堤では、やはり紋寿さんの袖萩に
一日の長あり。それと玉也さんの平仗が渋い。
瓜割は悪役だけど、その憎たらしい役を好演の亀次さんもよいです。
この段をボケッと流し見してしまうと後の方に大分響いてくるので注意しませう。
ここでしっかり頭を整理しないと次に進めません…

環の宮明御殿はこの段だけで約二時間かかる長丁場。
装置は変わらないのに話は二転三転。
お芝居だとここがメインになるようですね。袖萩の泣かせどころですしね。
文雀さんの浜夕との母子の遣り取りがお互いの腕の見せ所といいますか、
非常に丁寧に描写されていました。
父仗の一徹さもたまらないですね。最後まで気にかけながらガンコなん
ですが、だがそこがいい。
千歳さんの袖萩祭文がすごくいいです~。
それにくらべてこの安部のバカ兄弟は~!
(特に弟。五郎などと同じ典型的な弟キャラ)
一応貞任の方は母(袖萩)を目の前で亡くしたみずからの娘(お君)を気遣って
いるけど…宗任は真性の暴れ系弟キャラですね。<苦笑
即興で歌を詠めるあたりはまぁお育ちというものもありましょうが<あるのか?

お客の視線は中央の安部兄弟と義家の見得に向かっていたようですが、
そのはじっこで、ちゃんとお君が祖母浜夕に渡されて抱きしめられている所の
ほうが印象的でした。

道行千里の岩田帯は、長かった前段と、これから始まる陰惨劇の合間の
ちょっとした箸休め、といったところでしょうか。
生駒之助と懐妊中の恋絹のうれし恥ずかしいひたすら華やかな景事。
語りの調子もよく、三味線もよく、人形もよく。

一つ家…
陰惨…あまりにも…いきなり行きずりの旅人を引きちぎって、
喉笛食いついてるよ岩手… orz
安達原といえば一つ家、一つ家といえば安達原。
知らぬこととはいえ、わが娘(恋絹)を手にかける岩手なのですが、
その光物をかざして臨月の妊婦を追う、また妊婦も必死で逃げる、
うわ、岩手が蹴ったぞ今!とかいう、リアルさ加減。
また腹を割いて胎児を取り出すところがまた生々しくて。
勘十郎さんスゴいよそれ。ため息しか出てきませんよ。
で、中の清治さんと、奥の燕三さん、お二人がぐいぐい引っ張る。

そうこうしてるうちに、戻ってきてその無残な恋絹の姿を見た生駒之助が
半狂乱になったり、なにげに鎌倉権五郎とか出てきたりして、
あばら家の後ろは金張りの御殿であるとか、お芝居でもおなじみの
「実ハ」、「実ハ」オンパレード
仲間の内侍と見せかけて岩手(安部御一行様)と一緒に行動をともに
しつつ、奪われた宝剣探しに奔走していたのが新羅三郎とかいう無茶設定
もなんのその。
最後の谷底の段で大団円。
後味悪いけど…まあ、気にしちゃいけないんだろうけど。
そこに至るまでの犠牲があまりにも、「ここまで必要なんですか?」
というくらい大きすぎて。
でもその悲劇が一つ欠けても話はなりたたないワケで。
そういう意味ではよく出来た本なんだなと思います。

気になるのはその後のお君の成長とそれを見守る浜夕の行く末…
無事還御された環の宮と、同じ御殿でのお遊び相手になるのかな。
そうあってくれたらいいですね。

第一部、第二部ともにお役はこちらで

| 歌舞伎・文楽 | 23:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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八百八狐付き添ひて、守護する奇瑞にうたがひなし

三連休舞台ばかりです(笑)

今日は国立小劇場での九月文楽公演。昼夜通しで。
当月は東京での『五世豊松清十郎襲名披露公演』ですので、車寄せ近くにも
襲名の幟がはためいて、賑々しい雰囲気です。
襲名幟01 襲名幟02

こちらはロビー正面の飾りつけ。
ロビー正面01 ロビー正面02

『近頃河原の達引』
四条河原の段~堀川猿廻しの段まで。
おしゅん伝兵衛が哀れですなぁ。と一言でかたづけてしまうとおしまいなんですが。
官左衛門は勘定方の役人のハズなのになんであんなうらぶれた拵えなんだろう。
官左衛門に打擲されるのを堪える伝兵衛って簡単にプログラムには書いてしまって
あるけど、男が下駄で額を打たれるてーのは相当ですよ。
また勘緑さんが痛そうに打ってるんですわ。
目の前で大事の茶入れを割られて(贋物だけど)とうとう堪えきれなくなった
伝兵衛に脇差でバッサリやられてしまう官左衛門は士道不覚悟だな。
いや、そもそもお屋敷に御用伺いに行く伝兵衛がなんで脇差なんて持ってるんですか
というツッコミをむしろ入れたくなりますが。

堀川猿廻しは簔助師匠のおしゅんと紋寿さんの与次郎がなんといっても。
泣き半分、チャリ半分、
おしゅんの純情と与次郎の妹思いと紋豊さんの母親、三人三様の思いが
いり乱れ、伝兵衛とおしゅんの決意を知った母と兄は心で泣きながら門出を
祝って、兄が猿を使ってくれるのが見てる方も泣ける。
語りはこの段だけで住、綱(切)両大夫がおつとめになりました。
なかなかお年を感じさせないですわねこのお二人。綱さんノリが良すぎ(笑)
で、あの猿の「お初徳兵衛」を両手で使ってたのどなたなんですか~
気になります~

吉田清之助改め 五世豊松清十郎披露 『口上』
文字久大夫のご挨拶ではじまりました口上。
豊松の紋の入った藤紫の裃でみなさんお揃いです。
前列は上手から鶴澤寛治、竹本住大夫、豊松清十郎、吉田簑助、桐竹勘十郎
(敬称略)
自らは一言も発することなく、頭を垂れる新清十郎さんですが、現師匠の簑助さん
が、ご不自由なお口をいっぱいに使われて、
「よろしくお願い申し上げ奉りまする」ってもうね。グスン。感無量です。
その師匠をさっと兄弟子の勘十郎さんがフォローする様に後を続けて、場を締め、
近年稀な良い口上でした。

襲名披露狂言『本朝廿四孝』
十種香~奥庭狐火。
簑助一門オールスターズに加え、濡衣で文雀師匠をお迎えしました(笑)
十種香の切場は嶋さんで、幕が開く前からご祝儀気分満々。
清十郎さんの八重垣姫。十種香ではまだちょっと固さがあるかなーと思う
部分もありますが、それもまだ致し方の無いこと。
勝頼の簑助師匠、濡衣の文雀師匠と偉大な先達に囲まれて、
それは誠実なつとめぶりで初々しい八重垣姫となりました。

強いていうとなにかしら。長尾謙信の足がですね、死んでました。
ダラーン、て投げ出されていたように見えました。
せっかく師匠方に加えて兄弟子(勘十郎さん)が花をそえる場面
でしたのに残念でしたね。

奥庭ではふたつの焼酎火の狐火がフワフワと。
語りは津駒さん。三味線は寛治さん。
顔出しが慣例となった奥庭ですが、現れた八重垣姫は主遣いに清十郎さん
のほか、左に勘十郎さん、足は簑紫郎さんで。
兜を手にする前には恋の嘆きに身をやつす姫ぶり、
兜に憑依されてからは狐の狂気凄まじき非情にダイナミックで動きのある
八重垣姫となりました。
これからもなお一層のご精進を重ねて、簑助師匠おっしゃいますところの
「品格のある懐の深い遣い手」になられますよう、お祈りいたします。

一部、二部の入替の間にロビーで居残りしていましたところ、
ちょうど、紋付にお着替えになった清十郎さんが出ていらっしゃいまして、
お写真も撮らせていただいたのですが、さすがにそれは肖像権とか
ありますので、かわりにご署名頂いたプログラムなど。(笑)
ご署名頂きました

| 歌舞伎・文楽 | 23:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第41回日枝神社仲秋管弦祭

日枝神社の仲秋管弦祭は毎年九月の十四日の旧暦仲秋に催行されます。
演奏は小野照崎神社を母体として活動なさっている小野雅楽会の皆さん。
でもなかなか、十四日が上手く土日にあたらない事もあり、出かけたのは
かなり久しぶりになります。
(溜池山王駅の山の麓から頂上の社殿までエスカレーターが出来ている事すら
知らなかった、というくらい久しぶりです<汗)
その割に、当日券の購入法とか、どこから並ぶ、とかちゃんと覚えている
あたりが<苦笑
神門 管弦祭.

神門をくぐって左手側の神猿のお母さんです。隠れている片腕にはちゃんと子猿
を抱っこしているのですが、ちょうど陽が反射してしまっていて撮るのは断念。
ちゃんと美男鬘つけてる…わわしいんだろうか<爆
舞台前面の笹柱には閼伽花が飾られています。秋の風情ね。
神門のお母さん 閼伽花

本日使用の打楽器類。
上左:楽太鼓、上右:釣鉦鼓
下左:鞨鼓、下右:三ノ鼓
楽太鼓 釣鉦鼓
鞨鼓 三ノ鼓

そうこうしているうちに日も暮れてまいりまして舞台に灯りが照らされます。
本日は右方の席。
夜の舞台

まずは氏子社中による山王太鼓。山王太鼓には七種の打奏法があるとの
ことですが…かなり聞き分けられました(笑)
それが終わると、いよいよ管弦。
『双調音取』、『鳥急 双調 』、『武徳楽』
鳥急(迦陵頻急)はもともと壱越調の曲ですが、現在奏されるのは双調あるいは
黄鐘調のどちらかだそうですね。
琵琶と筝の絃の音が入ってイイ感じ。

つづいて日枝神社にご奉仕する巫女さんの御神楽舞。
『剣の舞』
石清水八幡宮にご出向されている吉田流笠井家の舞。
今回は二人舞で(元来は四人舞)。白鞘の剣を捧げ持ち、鞘を抜いて
からは四方を回りながら切り組みを四回組んで舞い納めます。
巫女さんはオーソドックスな白の千早に緋袴。
剣の舞01 剣の舞02

『悠久の舞』
紀元二千六百年祭に因んで作成された、比較的新しい曲であります。
古歌「すゑの世の末のすゑまで我國はよろずのことにすぐれたる國」
を元に作曲作舞され、本来は男舞とのことで、四人の巫女さんも人長舞や
東遊などで見かける青摺の小忌衣を着用しています。
採り物は黄色い菊の花です。
悠久の舞01 悠久の舞02

『日枝の舞』
昭和五十六年の御鎮座五百年祭を記念して作られた新しい舞。
御製、御歌から選定されたお歌が詠まれます。
天冠姿の四人舞。採り物は季節の花で、舞台に飾られている花と
同じものが使われています。
舞の最後、退場の際は入綾みたいな感じでした。

御製「静かなる神のみそののあさぼらけ 世のありさまもかかれとぞおもふ」
御歌「あたらしき力わきくる心地して 朝日の光あふぎみるかな」
日枝の舞01 日枝の舞02
日枝の舞03 日枝の舞04

御神楽が終わる頃には月も顔を覗かせ、『振鉾』左方一節が舞楽のスタートを
告げてくれます。
仲秋の名月 振鉾一節

プログラムでは『甘州』の後に『敷手』の順番でしたが、先に敷手からはじまりました。
・『敷手』 右方壱越調四人舞
篳篥五管も使われたらもう楽しくてたまりません(笑)
古くは東宮たる皇子が加冠(元服)する際に舞われた舞ですとか。
(番舞は裹頭楽或いは輪台となります)
当曲の途中で蛮絵装束の右肩を袒ぐ型になります。
敷手01 敷手02
敷手03 敷手04

・『甘州』 左方平調四人舞
準大曲という格式の高い曲です。なので舞人は左方襲装束の諸肩袒の
姿となります。
篳篥五管以上、笙もたくさん。ド迫力ですね。
壱越調の敷手から平調の甘州に間をおかずシフトするために、
楽人の方が多く来ていらっしゃるのです。(国立もこのくらいやってくれたらなー…ボソッ)
甘州01 甘州02
甘州03 甘州04

夏の暑さも終わりをつげ、気がつけば虫すだく季節になりました。

| 雅楽・舞楽 | 23:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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道辺に清水流るる柳蔭

九皐会九月の定例会です。
今日は夕方から日枝神社、ということで、
最初の『遊行柳』だけ拝見させていただきました。
能楽堂の中が冷房でひえひえ…

今日は一番だけのため、脇の自由席を取って頂いていましたが、
比較的、脇正面後列の中でもほぼ中央近い場所に席が取れまして。

遊行上人こと殿田先生ご一行が上総の国から白河の関にさしかかった
あたりで、幕の中より遠藤六郎先生扮する柳精の上人を呼びとめる声が。
背中をがっとわしづかみにされて、ぐいっと力強く引っ張りこまれるような
そんな気になりました。
先生の底力というか、あのパワーはすごい…
パワーは凄いのですが、かといって決してくどくなく、「人」を感じさせる部分が
まるで無く、あくまでも淡々と老い朽ちた自然体の古木の柳精を終始演じていらして。
そしてその風雅で枯淡な趣をさらに増幅させるような地謡の先生方。
本日の地謡、ことに後列は九皐会の大ベテラン陣勢揃いで固められており
二時間近い曲にもかかわらず一気に時の過ぎるような、
ザザッと一陣の風に柳の枝垂が吹き流れた後のような、
松田先生のトメの笛が響くと
「ああ、もう終わりなんだな」
と思う程の寂々たる気持ち。

昨日の『大原御幸』といい、この『遊行柳』といい、素晴らしい舞台を
二日も続けて見させていただいて、正直「幸せだなァ」という気分です。

あ、中森先生、喉をお大事にしてくださいね。

さて、これから日枝神社に参ります。(^^)ノ


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| 能・狂言 | 23:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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国立能楽堂開場二十五周年記念能 二日目

月日の経つのは早いもの。チケットを購入した時点では
「まだまだ先だけどねぇ」と思いながらも、結構あっという間にその日はきまして。
国立能楽堂
今日は二十五周年記念公演の二日目、という事になります。
巷では初日とか、友枝先生のご出演なさる四日目、あるいはにぎやかな五日目に
注目が集まっているようですが、選んだのは二日目。最初から決めていました。
近藤乾之助先生と金剛永謹先生、井上菊次郎先生とお揃いになるのを東京で
拝見するのは滅多にない事なのではないかと。
(近藤乾之助先生は東京にいても中々…ですし、『大原御幸』という大曲にも
なりますとなおさらで)

『大原御幸』
「平家物語 灌頂巻」より。
今は滅びた平家の菩提を弔いつつ、わび住まいを送る建礼門院。
いまだ若くともかつては「国母」とも呼ばれた高貴な身にして、それでいてもう
現世の何をかも全てを捨て去ったような、
すがれた風を乾之助先生がとてもよく出していらっしゃいました。
型の一つ一つが丁寧で、女院の品位が高く感じられる姿でした。

生きながら味わった地獄とはいかなるものかと、平家の最後を語って聞かせよ
との後白河法皇(そもそもお前が言うな!という気もしますが)に対しての切々
とした語り口の調べは、観ている側にも噛んで含めるような滋味のあるもので
消え入りそうなか細い声になりつつも生きて地獄を見た芯のある女院という
存在感を見事にあらわして素晴らしいの一言でした。

閑先生演ずる中納言が、大原の寂れた有様を物語る場面では、克明な
風景が目の前に現れるかの様。
仙幸先生の笛はお調べの時から澄み切っていて心が洗われるようで、
ホントにホントに素晴らしいの一言でしか例える事ができない。
そういうお舞台でした。

『蜘盗人』
井上菊次郎先生を拝見するのはまだ二度目なのですが、
東京とも関西ともつかぬ、独特の間というかおかしみというものが
感じられて。
シテは今でいうところならばギャンブルで身を持ち崩した男、とでも
言うのか、それでも連歌の道は止められないのね…
(この頃の連歌講はプログラム解説によれば賭博的要素も強かった
のだそうで。そうか、庶民に爆発的に流行った原因はそれか<苦笑)
土蜘蛛に使うような大きな作り物の巣にかかるシテを見て、見所は
クスクスが止まらず。
命が助かりたいなら脇句をつなげよと発句
「蜘蛛の巣にかかるやさしき忍夫」
を詠む主人(アド)に対して見事に
「切るに切られぬささがに(蜘蛛)の糸」
と切り返すシテ。
命の遣り取りを歌で示すことは昔からよく聞かれる話ではありますが
狂言の中にもそれを上手く取り入れた当時の作者に脱帽。

『泰山府君』
金剛流のお家の曲ですね。この曲もなかなか拝見できる機会がないので
しかも金剛永謹先生で!お正月にNHKで見て以来、楽しみにしていました。
こちらも出典は平家物語「吾身栄花」。

満開の桜のもと、花に見とれて中納言邸に降り立つ天人。
「あの桜の枝が一枝欲しい、でも月明かりでは見られてしまう。ああそれでも」
と樹の周りを迷うように近づいては離れ、離れては近づき。
それでも雲で月が隠れたを幸い、誘惑に負けて枝を折ってしまう天人。
嬉しそうに花に顔を埋めるかのように大事に抱えての中入。

そののちは花を元に戻して欲しいとの桜町中納言の祈りに応じて
後シテ府君と姿を変えた永謹先生とツレの天人(豊嶋晃嗣先生)が降誕し、
「その枝をお返し」と諭すような府君に肩を抱かれながら、ションボリして
枝を樹に戻す天人がやはり可愛らしい。
天女の舞と神の舞。両対象な舞働と前シテの天人が後シテでは府君となる
意外性。
関西独特の大らかさというか、細かいことは一切気にせず楽しめる曲。
神が直々に桜花の命を延ばしてくれる。ともいうお祝い事にはふさわしい
一曲なのでは。
楽しい楽しいお能でした。

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| 能・狂言 | 23:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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た…太刀が…

抜けない…

流石に2週間弱頭真っ白になってると修羅物はキツい。

前回お休みしたので、個人のお稽古を一回、舞台でお願いしたのですが、
動きが明らかに遅くなっています…orz
先生からは
「もっと早く!」
と、せかされるけれども足が動かないのは隠しようがありません。
太刀が抜けないから、そのすぐ後左足を引くこともできないし。

でも、ツマミ扇の足はかけられるようになりました。
ああ、道は遠いのに、期限は短い。ため息しきり…

| 仕舞・お稽古 | 22:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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